口の中に入れたものが、何かの拍子に誤って気管のほうに入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といいます。
誤嚥は、飲み込む力の弱い赤ちゃんにはよく起こりやすいものです。
誤嚥をすると咳き込んだり、場合によっては呼吸器系に障害を起こしますが、特に怖いのは気管に物が詰まってしまい息ができなくなる窒息です。また、肺に入って炎症を起こし肺炎にもつながりかねません。
気管に異物が引っかかって空気の通りが悪くなると、呼吸をするたびに喉の奥でゼーゼーと音がすることもあります。
また呼吸がしづらくなり酸素が不足してくると、徐々に顔色が悪くなるチアノーゼや、気管が完全に塞がれた状態になると、痙攣を起こしたり窒息してしまい意識不明になることもあるので大変危険です。
2017年のニュースによると、過去5年間に100人以上の赤ちゃんが誤嚥・窒息で命を落としているようです。
赤ちゃんの時期にこの誤嚥を防ぐためには、身の回りの危険がどんなものがあるのかをよく把握して気をつけておかなければなりません。
もくじ
誤嚥・窒息に至る身の回りの物
誤嚥しやすいもの
まず、間違って飲み込み気管に入ってしまいやすい物をあげてみましょう。
◉ナッツ・豆類

ナッツ類や豆は、誤嚥の代表格とも言えるくらい危険な物である事を認識しておきましょう。
グリンピースや枝豆などは口に入れやすく、飲み込みやすい食材です。まだまだ歯が未発達な時期は噛んですりつぶす事が出来ないので、注意しましょう。
◉フルーツや野菜

皮付きのぶどうや、赤ちゃんが食べるには形がやや大きいフルーツも危険です。フルーツなら…と、意外と油断してしまいますのでよくすりつぶしてあげるようにしましょう。
◉蒟蒻ゼリー

蒟蒻ゼリーの危険性はよくニュースになるのでご存知かもしれません。弾力があるため飲み込むとそのままの形で居座り、窒息に至ります。
◉プチトマト

プチトマトも飲み込むと気道をふさぐため赤ちゃんの手の届かないようにしましょう。
◉ウインナー

離乳食としてウインナーなどを食べさせるかもしれませんが、よくすりつぶしておかないと気管に入りやすいでしょう。
◉その他小さな物

おもちゃ、ブロック、ネジ、電池など、小さな物は全て赤ちゃんが口にして誤嚥に至る可能性があります。普段から整理整頓をし、掃除機をマメにかけるなどして床に転がっていないか注意が必要です。
窒息しやすいもの
窒息も身の回りに危険がたくさんあります。
◉ビニール袋

ビニール袋を被ったりして遊んでいると、鼻や口に張り付いて窒息してしまいますので、ビニール袋では遊ばせないようにしましょう。
苦しくても赤ちゃんはどうしていいか分からず、窒息に至りかねません。
◉ハンカチやタオル

ハンカチやタオルも意外と危険な物と言えるでしょう。赤ちゃんが何気なく口にしやすく、知らぬ間に口を塞いでいないよう注意が必要です。
◉布団や枕

寝ている時これが1番気になります。うつ伏せになっていたり、掛け布団が顔に被ったりしないよう注意しましょう。
◉紐やコード

スタイ、ブラインド、電気コード、その他ひも類は首に巻き付いて窒息するかもしれません。
なぜか赤ちゃんってコードやひもが好きなんですよね。
誤嚥・窒息を防ぐために
誤嚥・窒息は一瞬の隙に起こってしまう危険なものです。普段から意識を高めておき、危険となるものを取り除く事が重要です。
食事中びっくりさせない
ちょっとした音などに敏感な赤ちゃんは、食べている時に驚くことがあると、その拍子に気管の方に食べ物が入ってしまう事があります。出来るだけ食事に集中させて、家族がバタバタと動き回る事が無いようにしてあげましょう。
祖父母、友人は慣れていない
ご両親なら毎日子どもの危険にアンテナを張り巡らし、細心の注意を払っておられる事でしょう。
しかし時々預かる祖父母や友人はそこまでの意識がないため、油断も生まれやすく事故につながるケースがよくあります。
子どもを預ける際には誤嚥・窒息の危険についても話をしておき、危険が無いかチェックしておいたりしましょう。
こまめな整理整頓、掃除
部屋が散らかっているなら危険度はぐっと上がってしまいます。誤って飲み込みかねないおもちゃ、ビー玉、ブロック等が隠れているかもしれません。
部屋を常にスッキリさせて置くなら健康にもいいですし、危険も減らせて一石二鳥にも三鳥にもなるでしょう。
●まとめ●
誤嚥・窒息は身の回りの物で起きてしまいます。しかも一瞬のうちに起こってしまいかねません。
ですから普段から注意して危険となるものはあらかじめ対策を施しておきましょう。
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