子供や赤ちゃんが、鼻をグズグズしていたり、なんだか風邪と違う症状だと「あれ、もしかしてうちの子、花粉症なんじゃ?」と心配になる方もおられます。
子供の花粉症はいつから発症するのか。その見分け方と対策について調べてみました。赤ちゃんのうちから注意が必要ですよ!
0歳児は花粉症を発症しない!?いつから?

いろいろ調べてみると、「0歳児は花粉症を発症しない」と書かれているサイトもありますが、これは厳密に言うと正しくありません。
正しくは「人生1度目の花粉シーズンには発症しない」です。
なぜなら、アレルギー反応を発症するためには、一定量以上の花粉が体内に入り、IgE抗体が溜まる必要があるからです。
ですので、春生まれの新生児が、1歳を迎える前に2度目の花粉シーズンを迎える場合、花粉症を発症する可能性があります。
3シーズン目、4シーズン目、5シーズン目と経験するたびに、年齢に関係なく発症するリスクは上がっていくと言えます。
逆に言うと、人生1度目の花粉シーズンに、鼻をグズグズさせているなら、それは風邪です。アレルギー反応ではありません。
小児花粉症が増えている
赤ちゃんは花粉症にならないと言われてきましたが、花粉症の発祥は低年齢化しているので、注意が必要です。
子供の花粉症は「小児花粉症」と呼ばれており、近年、特に増加傾向にあります。
厚生労働省の調査によると、こうなっています。
2002年の調査では、15歳以下の小児の花粉症は10.2%で、0-2歳が0%、3歳から5歳が4.5%、6歳から9歳が10.5%、10歳から12歳が12.1%、13歳から15歳が15.1%でした。2008年の調査報告では0-4歳で1.1%、5-9歳で13.7%となりました。
引用:厚生労働省
0-4歳で1.1%の発症率となっています。4歳以下の子供でも発症例が確認されているんですね。
今後、この割合は増加するとも言われており、小児花粉症の子供の数が増えそうです。
第一子は花粉症になりやすい
「第一子は花粉症になりやすい」というウワサを聞いたことがあるかもしれません。
実はこれ、ホントです。
ロート製薬の実施した調査によると、こうなっています。
2012年に実施した調査において、10~16歳の子どもに限定して、出生順と花粉症発症について聞いたところ、第1子では39.7%、第2子は29.2%、第3子は28.6%が花粉症であるという結果になった。
引用:ロート製薬
第一子が最も花粉症を発症している…。
調べてみると下の子は、上の子から感染症が移るため、アレルギーになりにくいようです。
ですので、「下の子は花粉症になりにくい」と言ったほうがいいかもしれませんね。
両親が花粉症だと理論上は100%発症する
さらにショッキングな事実ですが、もし両親が花粉症だった場合、理論的には子供は100%発症すると言われています。
もちろん、発症するまでの時間が長いか短いかは人によりますが。
ロート製薬の行った調査によると、親が花粉症かどうかは子供の花粉症に大きく関係しています。
以下の表は、両親が花粉症かどうかによって、花粉症を発症した子供の割合です。
両親とも | 43.2% |
母親だけ | 32.8% |
父親だけ | 23.4% |
どちらも違う | 11.6% |
引用:ロート製薬
両親ともに花粉症で、子供に花粉症のような症状が出た場合、花粉症と疑ったほうがいいでしょう。
逆に、両親が花粉症でない場合は、風邪や、他のアレルギーの疑いもあります。
子供の花粉症の見分け方

では、子供(赤ちゃん)が花粉症かどうかはどうすれば見分けられるのでしょうか。
主な症状は鼻づまり
花粉症の主な症状として挙げられるのは、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどです。
子供の場合は、鼻づまりが主な特徴となっており、くしゃみはあまり出ません。子供の鼻は小さく、つまりやすくなっています。鼻がつまると花粉が体内に入っていかないので、くしゃみが出にくくなるようです。
鼻が詰まっているかどうかは、
- 呼吸する時に「スースー」と音がする
- 口を開けて口呼吸をしている
などに注意すると、見分けることが出来ます。
発熱や咳はない
風邪の症状と違い、発熱や咳などの症状はありません。
鼻風邪との見分け方は難しいですが、発熱や咳がない場合は花粉症も疑いましょう。
少し粘り気がある鼻水
大人の場合は、サラサラとした鼻水が花粉症の症状ですね。
子供は逆に、少し粘り気のある鼻水が特徴です。
一部のサイトでは”サラサラした鼻水が特徴”と書かれていましたが、さらに調べてみると、間違いのようです。
子供→粘り気のある鼻水
鼻水を出すタイミング
外から家に帰った時に、やたらと鼻水を出していたり、鼻づまりが起こっている場合は花粉症の可能性があります。
くしゃみや、目をこするなどの動作がないかどうか合わせてチェックしてみましょう。
頻繁に目の周りをこする
花粉症の症状のひとつは、目のかゆみですが、子供も目の症状が起こる場合が多いと言われています。
- 目の充血、かゆみ
- 目のまわりのむくみ
- まぶたが腫れる
- 涙目になる
などの症状が特徴です。
ぼーっとしている
鼻づまりによる睡眠不足や、一般的な症状により注意力が散漫になります。
その結果、「なんだかボーーッとしている」ように見える時があります。
特に就学児童の場合は、勉強に支障が出たり、登下校時に注意が必要となるなど、注意力の低下が見られます。
アトピーの傾向がみられる
一部の赤ちゃんには、花粉症と一緒にアトピーを発症する子もいるようです。
子供が花粉症になったら何科を受診する?

もし上の症状を見て、「うちの子は花粉症かも」と思われたなら、程度を見て受診すると良いでしょう。
一般的には「小児科」→「耳鼻咽喉科」となるケースが多いようです。
ただし、花粉症かどうかの検査は、血液検査となります。
まだ子供が小さい赤ちゃんの場合、ストレスを与えることになりますので、お医者さんと話し合って検査を受けるかどうかを決めると良いでしょう。
花粉症と診断されたら、点眼薬や点鼻薬が処方されることが一般的です。
子供の花粉症への予防対策

大人でも辛い花粉症。もし子供が花粉症になったら、なんとか症状を和らげてあげたいと思いますよね。予防対策できる方法をまとめてみました。
室内に花粉を入れない
まずは大前提として、室内に花粉を侵入させないことが大切です。
具体的には以下の点に注意!
- 外から帰った時に、上着を外で叩いてから入る
- 外から帰ったらすぐにお風呂に入る
- 花粉がつきにくいツルツルの素材の服を着る(綿・ポリエステルはOK、ウールやフリースはNG)
- 換気は朝に。昼や夕方はNG(花粉が飛ぶため)
侵入経路として、見落としがちなのは服や髪の毛に付着する花粉。
赤ちゃんを抱っこした時に、直接肌があたるので要注意です。
きれいな状態に保つ
部屋をきれいな状態に保つことも大切です。
- 花粉を吸い込める空気清浄機を使う
- こまめに掃除機をかける
- クイックルワイパーやコロコロを使って掃除する
などなど。
部屋の中に花粉やほこりがたまらないように気をつけましょう。
布団や服を外に干さない
布団や服を外に干すと、花粉をたっぷり取り込んでしまいます。
- 部屋干しする
- 乾燥機を使う
- どうしても外で干したければ、朝の早い時間に干す
などの対策が効果的です。
マスク・メガネ・帽子を着用させる
マスクは吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らす効果があると言われています。
また、メガネは目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らす効果があります。
メーカーから子供用のマスクや、花粉用メガネが販売されていますので、活用するといいでしょう。
帽子も頭に花粉が付着するのを抑えてくれます。
手洗い・うがいを心がける
鼻から入った花粉は、のどに流れてたまります。
うがいは、この花粉を除去するのに効果があります。
うがいを出来る年齢なら、外出後は手洗い・うがいをさせましょう。
免疫力を向上させる
花粉対策の大切なポイントは、免疫力を高めることです。
花粉に負けない体を作ることも効果的です。
花粉症に効果があると言われているものの中には以下のものがあります。
- 白米を玄米に変える
- 乳製品を多く摂る(ヨーグルトなど)
- 納豆・味噌などの発酵食品を食べる
- 甜茶ポリフェノールを取り入れる
ただし、厚生労働省の調査によると、「一定の効果はあるが、実際に花粉症の症状を良くするというデータは、充分にない」となっており、こうした情報に振り回されるのも考えものです。
一般的には、こう言われている。くらいの受け止め方が良さそうです。
赤ちゃんのうちに花粉に慣らせると良い?

いろんなサイトを見てみると、赤ちゃんのうちに花粉に慣らせると良い、としているサイトもあります。
雑菌の多い動物園に連れて行くといい、とも。。。
確かに、私の好きな「こち亀の両さん」も小さい頃から、汚いものを食べ続けた結果、鋼のような体を手に入れました。
ただし。
こうした説に、医学的な根拠はなさそうです。
アレルギーは体質ですので、花粉に慣らせたところで症状が軽くなることはないでしょう。
外で元気に走り回ることは、心身の発達に大切ですし、健康な体には不可欠ですが、花粉症の改善になるかどうかは疑問です。
適度な運動は、子供も楽しく過ごせるので、精神的にはいいですね。
まとめ
花粉症について、まとめてみました。
いろいろなサイトを見てみると、サイトによってアドバイスが180度違うので、困惑しておられる方も多いのではないでしょうか。
信頼できるサイトで情報を集めることをオススメします。
大人でさえ、辛い花粉症ですので、子供が花粉症かなと思ったら早めに病院に連れて行くことが大切ですね。
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